自分の考えに合わないからしゃべらせるなとか外国に行かせるなと言うのは中国的発想

 最近ちょっと気になるコトがあります。
 
 鳩山元総理に向かって「日本から出国させるな。パスポートを凍結しろ」と言ってみたり、また河野洋平元衆議院議長に「公の場でしゃべらせるな」と言ってみたりするコトについてです。
 気持ちは分かります。
 鳩山元総理がデタラメで何を言ってもどこに行っても日本の国益にひとつもならない、むしろ阻害するだけだっていう気持ちも、河野洋平元議長ももはや問題をややこしくするコトにしかならないというコトもよく分かるのですが、それはそれだとしてもしかしそれは、やっぱり大変危険な考え方ですよ。
 結局これは、「自分の考え方に合わないから表現の自由や政治活動の自由を制限しろ」と言ってしまっているコトなのですからね。
 
 鳩山元総理や河野元議長にこの手のコトを言う人は、それぐらいの大事なコトを言ってしまっているとは気付いていないのかもしれませんが、でもこれは大変危険です。
 これがまだ現職の国会議員なら、ギリギリ理解出来る部分もあります。
 特に総理大臣や衆議院議長という立場のまま、現職時代であれば、その立場からして自重すべき言動というモノはあると思います。
 しかし両氏はいまは一民間人に過ぎません。
 確かに「元総理」や「元議長」という肩書きは大変に重いモノがありますが、でもそれでもあくまで「元」であって、現在の肩書きはと言えば「ただの一民間人」なのですから、そういう人達に「自由の権利」を制限させるようなコトが、この現代日本においてはあってはならないコトなのです。
 
 むしろ仮に国家としてそのようなコトが本当にまかり通ってしまえば、その方がよっぽど日本国家としての名前に傷が付く重大な行為になってしまいます。
 そんなのただの中国共産党じゃないですか。
 「国家に反する言論を言うから後援会は禁止」「国会に反するコトをするから出国禁止」
 公職に就かない人間に対して国家が権力を持って自由と権利を制限してはただの中国共産党にしかならず、自由と民主主義を重んじる現代日本の取るべき行動ではありません。
 それとも日本が中国みたいな国になれとでも言うのでしょうか。
 
 自分の考えとは真反対だとしても、それを公の場で堂々と表現出来るからこそ、逆に言えば自分の考えだって堂々と表明出来るのです。
 それが民主主義国家であって、日本の素晴らしいところなのです。
 それなのに自分だけの自由を謳歌しておいて、他人の自由は制限しろと言ってしまうのは、我が侭を通り越して、ただの独善的な独裁者の思考でしかありません。
 
 自分の考えに合致してしても合わなくても、それでも様々な意見が自由に飛び交えるからこそ日本は素晴らしい国なのです。
 自分もそういう国にいるからこそ自由に発言出来るのですから、それを他人には制限するという考え方がいかに危険な考え方なのかというコトは自覚してほしいと思います。
 確かに鳩山元総理も河野元議長も、国益を失する発言をしてしまいかねません。
 しかしそれを払拭するのはあくまで正当な言論活動や正当な政治活動ですべきコトであって、権力でもって発言自体を禁止するというコトは絶対にやってはならないコトです。
 その方がよっぽど国益を失わせるコトになりますし、そして結局それは、いつか自分の首を絞めるコトになるのですから。