選挙中は選挙報道を禁止すべき
これ、選挙のたびに言ってる気がするのですが、でも選挙のたびに言っておこうと思います。
せめて選挙期間中は選挙に関する報道は禁止すべきだと思うのです。
一番酷いのが、○○党が○○議席獲得する見込みですとか、○○党の支持率は○○％ですとか、この手のモノです。
これ、どう考えても有権者に予断を与える内容の報道ですよね。
公平な選挙とは、有権者が自らの頭で判断して選択するコトです。
もちろんこの現代の世の中、放っておいても勝手に様々な情報が入ってきますから完全にニュートラルな状態には出来ませんが、しかし出来ないからと言ってますます予断を与えるような情報を出していいというコトにはなりません。
例えば「○○党が圧勝する見込み」とか報道すれば、「自分は投票しなくてもいいや」とか「勝たせすぎはよくないからカウンターとして別の党に入れるか」とか考えてしまうかもしれません。
そう考える方も考える方だとは思うのですが、しかしではなぜ公平な選挙は投票の最中に「途中結果」を公表しないのかというコトを考えると、それはやはり「他人の投票結果を聞くとどうしても影響を受けてしまう人がいる」からだと言えるでしょう。
これを公平とは言わないワケです。
例えばＡＫＢの総選挙なんていうモノは、逆にそれを巧みに利用していますよね。
敢えて途中結果を公表するコトで、それぞれのファンを煽っているワケです。
「一位まであと○○票差だから頑張ろう」とか「下と○○票差しかないからピンチだ」とかですね。
ＡＫＢはこうして「余談」を与え「危機感」を煽って、さらにＣＤを買わせようとしているワケです。
これはつまり、途中結果を公表するコトによって、公表する前と後とでは投票人の意識は変化するっていうコトの証左と言えるでしょう。
善悪はともかく、やはり事実として「他人の投票結果」は「自分の投票行動に少なからず影響を与えてしまう」のは事実なのです。
ＡＫＢはそれでも構いませんが、公職の選挙はそうはいきません。
有権者は主権者として「自分の考えに一番合致するから○○に投票する」というコトで投票行動を判断しなければなりません。
決して「他の人がこうだから自分はこうしよう」という、他人を判断基準にしてはなりません。
しかしマスコミの選挙報道は、あきらかに他人の行動結果を判断基準にさせようとしているとしか言いようがないモノではないのでしょうか。
政治家や立候補者がどこで何をしたかっていうのは、まだいいとしましょう。
むしろ各政党が何を訴えているのかっていうコトを広く伝えるコトはマスコミの本来の役割と言えます。
そこにタレントの個人的なコメントは全く必要なく、それはむろし選挙期間以外でも抑制すべきだと思っていますが、そうではなく、ただ純粋に立候補者の訴えを伝えるのであればどんどんやるべきです。
しかしそこに「世論調査」は必要ないでしょう。
逆に聞きたいです。
「国民の何割が○○党を支持している」っていう情報は、いったい何の役に立つのですか？
普段はまだいいでしょう。
その政策や内閣を国民がどれだけ支持しているのかっていうコトを客観的に知るコトは、近い将来の政治を判断する材料にはなるからです。
ハッキリ言ってやえはマスコミという一私企業でしかない調査の結果なんかに右往左往するコトはあまりにりも踊らされすぎだと思うので普段の世論調査なんかも禁止しても構わないと思っていますが、まぁそれでも一定の意味はあるコトは否定はしません。
しかし選挙の際においては、極僅かの価値もありません。
だって「国民の判断」は、もうすぐそこに出るのですから。
むしろ、その「国民の判断」を公的に確定させるのが選挙なのですから、その最中に私企業の調査なんていうのは、公的なモノの邪魔にかならないでしょう。
ある意味民間企業の世論調査は「そんなに頻繁に選挙を行うのは現実的ではない」からこその代価案（それを民間企業に任せるのはどうかと思いますが）という存在意義としてのマスコミの世論調査なワケであって、“本物”の世論調査である選挙を前にしては、マスコミの世論調査など片ほども価値はないと言うしかありません。
ましてその「本物の世論調査」に、なんらかの影響を与える、余談を与えるというのであれば、本末転倒も極まれりと言ったところです。
すでにこの参議院選挙、「自民党の圧勝」とか言われていますが、なんでそんなコトが言えるのでしょうか。
超能力者なのですかと、未来人なのですかと。
参議院選挙の結果は、あくまで投票箱に投票した人、ひとりひとりの思いが積み重なって生まれるモノです。
選挙の結果とは、決して天から降って湧いて出るモノではありません。
「これから投票する人の思いの積み重ね」なのです。
それを実感するためにも、マスコミの選挙期間中の選挙報道は禁止すべきだと思います。