今まで何年も時間があったのになぜ国防軍が出来なかったのか

 前回言ったコトっていうのは、確かイラク戦争の時にも書いたような記憶があるんですよ。
 「アメリカの言いなりになりたくなければ、独自防衛力を持って、国防軍を作るべきだ」というようなコトをですね。
 でも結局、日本は今日までそれを果たせずに来てしまいました。
 
 もっと言うのであれば、シリアの件をどうするかっていうのだって、それを日本が主体的に考えるためには、日本独自の情報・諜報機関が必要じゃないですか。
 アメリカからもらった情報だけでは、アメリカの都合のいい情報ばかりになるのは当然です。
 ですから日本はどうすべきなのかというコトを日本が主体的に考えるのであれば、それらの機関も作るべきなのです。
 でも結局、日本は今日までそれを果たせずに来てしまいました。
 
 これでどうやってシリアのコトを日本が独自に判断して行動しろと言うのでしょうか。
 いまの状況だってそうです。
 今現在、いったい何を判断基準にして日本政府は政府の行動を決めろと言うのでしょうか。
 マスコミの情報だけを鵜呑みにして決めろとでも言うのでしょうか。
 そんなのあまりにもザルすぎるお話であり、それでもやれというのは、もはや子供の我が侭レベルの戯れ言でしかないと言うしかないでしょう。
 
 なによりこれらを政府や政治家のせいだけにするのは違します。
 イラク戦争から果たして何年が経っているのでしょうか。
 そしてその間、国民の間にもそのような議論がどれだけ巻き起こったというのでしょうか。
 イラク戦争の時も散々「アメリカに追随するな」という意見が聞かれましたが、しかし「だから国防軍にすべきだ」とか「独自諜報機関をつくる」とか、そんな議論は国民から起きましたか?
 全く無かったとは言いませんが、でも結局その「少数意見」は見なかったコトにされ先送りにされ、多くの国民にとっては無かった意見かのようにされて、今日まで来てしまったのです。
 そしていままた同じような場面に直面しているのです。
 
 それはやっぱり国民の責任ですよ。
 今回の件でもやっぱり「備えておかない政治家が悪い」なんて言ってるだけでは、どうせまた同じようなコトが起きても同じようなコトにしかならないでしょう。
 「アメリカに追随するな」と言うのであれば、「日本は独自に判断しろ」と言うのであれば、国民こそがその手段を日本政府に与えなければならないのです。
 そしてそのキッカケをまざまざと見せつけられた過去があるにも関わらず、今日までなんの備えもしてこなかった責任は、やはり日本国民自身にあるとしか言いようがないのです。
 
 前回も言いましたように、「アメリカの言いなりになるな」というだけでは、ただの我が侭です。
 それは「意見」ではありません。
 言いなりになりたくなければ、日本は独自防衛力を持たなければなりません。
 その努力を行わなければなりません。
 そして独自判断が出来るよう、諜報機関だって作らなければなりません。
 日本が日本として独自判断しろと言うのであれば、他人のせいにばかりしているのではなく、国民自ら積極的に判断出来るような環境を作り上げなければならないのです。
 そうしてこそ「大人の国家」と言えるのではないのでしょうか。
 
 日本はこれから、これまで通り子供のようにその場限りの我が侭を言うだけなのか、それとも自らの責任を果た上で行動できるようになるのか、全ては国民自身の手に掛かっているのです。