日本は世界大国であり、世界大国に相応しい世界外交をしなければならない

 昨日も言いましたように、安倍総理が靖国神社に参拝したコトを受けて、昨日から今日に書けてマスコミがみっともなく当たり散らしていますので、たぶん今日の更新で今年最後になると思うのですが、最後も外交のお話で締めたいと思います。
 
 マスコミを中心に、どうも、ひとつの問題だけをもって二国関係の全てを語るっていう人が多すぎる気がしてなりません。
 中国韓国のおかしい二国はどうでもいいとして、しかしアメリカやロシアなどが否定的なコメントをしているコトについても、日米・日露関係がどうだこうだと騒ぎ立ててしまっている人がいます。
 まぁ安倍内閣を批判したくてしたくて仕方ない人は理論なんてどうでもいいのかもしれませんが、もうちょっと広い視野で、それこそグローバルな視点が持てないのかなと言わざるを得ません。
 
 国が違うのですから、違う意見もあるでしょう。
 当然です。
 しかし外交とは、そういう違いがあるけど手を取り合える部分は取り合い、そして国全体としては友好的な関係を築く、というのが本来の姿です。
 またその「友好的な関係」とは、最低限対話や交渉ができる状態と言い換えるコトもできます。
 なぜなら、国が違えば意見が違うのは当然なのですから、その違う意見を相手に伝えて交渉ができる状態こそがむしろ正常な状態と言えるからです。
 二国間において一切の意見の相違がないのであれば、むしろそれは同じ国になった方が様々な部分で合理的なんですからね。
 言語の違いから始まり、歴史文化根本的思想など、意見の違いがあるからこそ国が違うのです。
 そして違いがあるからこそ、外交という名の意思疎通が行われるのです。
 
 そういう中で、靖国参拝に対して異議がある国も、まぁあってはならないと言ってしまうのは傲慢でしょう。
 日本人とは違う感性を持っている外国人がどう捉えるのかというのは、我々からはなかなか想像も難しく、日本人と違う反応を示したとしても、その異論の存在自体を否定するのも傲慢な考え方だと思います。
 ですから、異論があるのは仕方ありません。
 それは受け止める必要があります。
 ですからアメリカから出された懸念も、まぁアメリカなんかは靖国の参拝それ自体に異論を唱えているのではなく、中韓との関係悪化に懸念を示しているだけなのは声明文から明かですが、日本のマスコミをそれをスライドさせてさも参拝自体にアメリカは反対しているかのような伝え方をしているところが卑怯千万と言ったところですけど、アメリカが大使館というレベルとは言え異論を出したのは確かです。
 
 しかしそれはそれだけの問題でしかありません。
 靖国参拝に対して異論を唱えたからといって、それだけをもって日米間の外交が全てゼロになるコトは絶対にありません。
 むしろそんなコトをしてしまうのは「外交」ではありません。
 さっきも言いましたように、外交とは異論があるからこそ対話するのでありますから、逆の言い方をすれば異論の存在こそが外交とも言えるワケなのですから。
 そういう意味においては、安倍総理も「アメリカも誤解している部分があるから説明する」とおっしゃっていましたように、これでまた対話し議論するキッカケができたとも言えるワケで、安倍さんの姿勢そのものが外交であるとも言えるワケなのです。
 本来この問題はこの程度の問題でしかなく、またアメリカも、アメリカ政府の公式の声明であるコトは確かですが、表明場所が在日大使館という点においても、その意味という部分においてはよくよく考える必要があるでしょう。
 
 そしてなにより日本は世界大国です。
 大戦前の日本は急に成長した新興国でしかありませんでしたが(いまで言えば今の中国がそんな立場かもしれりません)、いまは長年経済大国を維持してきている、押しも押されぬ世界大国です。
 もはや世界社会において日本を無視して、少なくとも経済の面においては物事を動かすコトはできません。
 もちろん軍事的にも日本は世界大国になるべきだと思いますが、それはともかくとしても、日本はいまそういう立場にある以上、仮に全ての国が1つのコトに反対だったとしても、そのひとつふたつ程度の問題で日本を世界は無視するコトなんでできないんですよ。
 それはそれとして、これはどうしましょうか、と、言い方を変えれば「ならざるを得ない」のですし、さっきから言ってますように、むしろそれこそが正しい外交のあり方なのです。
 
 もしこれが納得できないのであれば、ちょっと視点を変えて考え見てください。
 どうしても安倍総理を批判したくてしたくてたまらない人は普段反米的なコトばかり言う人でさえアメリカの論調に乗っかって安倍批判をしてみっともない姿を晒していますが、考えてもみてください。
 そのアメリカ自身が、果たして世界中の全ての国に対して一切の異論がでないような言動をしていますか?
 世界のどの国も、アメリカへの批判や不満は一切無いと、そう言えるのですか?
 アメリカは全ての国から1点の不満もなく愛されていると、そう断言できますか?
 そんなバカなお話はありませんよね。
 むしろアメリカこそが最も批判が多い国のひとつだとすら言えるでしょう。
 では果たしてアメリカは「世界から孤立」しているでしょうか。
 
 どうしても日本人の考え方として、ひとつでも強く批判されると全てをひっこめるかのような考え方があって、それ自体をやえは否定するつもりはありませんが、でも世界外交においてはそれはマイナスにしかならないのは確かだというコトは認識する必要があります。
 外交の部分においては、認められない部分は認めないとハッキリ言い、しかし別の部分では手を携える部分がないのか模索するっていうのが交渉であり外交であり、アメリカという国は、それを様々な手段、時にはおおっぴらに言えるような手段ではない手段すら用いて「外交」してきたのです。
 昨日やえは、岸田文雄外務大臣の手腕についてこういう引用をしました。
 

 ロシア外相と渡り合った酒豪ぶりと粘り腰 地球儀外交の一翼担う 岸田文雄外相
 
 温厚な性格で、首相の安倍晋三が進める積極外交を支えてきた。
 「フミオがモスクワに来たら、連れて行きたい店があるんだ」
 11月1日深夜の外務省飯倉公館(東京都港区)。来日したロシア外相、ラブロフとの夕食会の途中、そう語りかけられた。ラブロフは気むずかしい性格で知られ、夕食会に先立つ外相会談では北方領土問題をめぐって激論を交わしていた。
 夕食会になって「私の地元の日本酒を飲もう」と切り出し、広島の地酒を杯に注いだ。「政界随一の酒豪」といわれるだけに、いつしか2人は「飲みくらべ」になり、夕食会は3時間近くに及んだ。
 修羅場でも感情的にならない粘り強さが持ち味だ。じっくり相手の話を聞いた後、一つ一つ確かめるように説明、説得する。こうした姿勢は日韓外相会談などでも変わらない。

 
 これこそ外交なワケですよ。
 ひとつ言えばすべてひっこめるような姿勢は外交ではありません。
 いま日本のマスコミは、さも日本が世界から孤立しているかのように騒ぎ立てるのですが、本当に孤立しているのは国民の中におけるマスコミでしょう。
 靖国に対してアメリカ大使館やロシアが懸念を示したのは事実です。
 それは正面から受け止めなければなりません。
 しかし、だからといって、それを他の問題にまで発展させるのはお門違いです。
 外交とは、それはそれこれはこれ、です。
 なにより日本はいま世界大国なのですから、ひとつ懸念材料があったとしても、それだけで縁を切っても利益なんて普通の国であればひとつもないでしょう。 
 それが分かってないのが韓国というデタラメ国家ですが、それはもう放置で良いとして、なによりですね、こういう構図を日本の国民こそが理解すべきなのです。
 
 靖国神社参拝に対して国民の側から異論を唱えるのも構いません。
 言論の自由、思想の自由がありますから、参拝すべきではないと主張するのもいいでしょう。
 しかしそれは外交問題という視点から批判するのは完全にお門違いです。
 まして「アメリカと仲良くするために参拝すべきではない」なんていう言い方は、まさに奴隷の思考でしかないでしょう。
 ひとつの問題があったとしても、それも外交の一角でしかなく、様々な面において多角的多面的にトータルとして国家観での交渉ができる状態を維持するのが外交なのです。
 そしてなにより、安部総理と岸田外務大臣の外交は、それを実践しています。
 こと外交においては、完全に政治の方が国民の1歩も2歩も先を進んでいると言うしかないでしょう。
 国民はそこをシッカリと理解しなければならないと思います。
 
 
 バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳は、来年も日本にとって良い年でありますよう心から願うところです。