「河野官房長官談話」の分析のまとめ

 いわゆる「河野官房長官談話」について、3回に渡って分析した結果を簡単にまとめます。
 詳細な分析はこちらで行っていますので、今回のまとめについてご意見等ありましたら、まずはこちらをご覧になってからお願いします。
 
 河野談話は2つの要素に分けられます。
 ひとつは「事実認定」の部分。
 もうひとつは「謝罪」の部分です。
 そしてこの2つについて、分析した結果をまとめるとこうなります。
 
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◆事実認定について
1.戦時中、広範囲で慰安所が設置され、慰安婦が存在した。
2.慰安所は、軍の要請によって設営された。
3.慰安所の設置は、軍が直接あるいは間接にこれに関与した。
4.慰安所の管理は、軍が直接あるいは間接にこれに関与した。
5.慰安婦の移送は、軍が直接あるいは間接にこれに関与した。
6.慰安婦の募集は、軍が業者に要請した。
7.慰安婦の直接の募集は、業者があたった
8.慰安婦の直接の募集を行った業者の中には、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあった。
9.慰安婦の直接の募集の際の悪質な行為について、官憲がそれに荷担した事例もあった。
10.慰安婦の直接の募集の際の悪質な行為についての官憲の荷担は、軍としての行為ではない
11.慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。
12.慰安婦の出身地は、日本本土が最多。
13.慰安婦の出身地は、日本本土を除けば朝鮮半島が続く。
14.当時の朝鮮半島は日本の統治下だった。
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◆日本政府の謝罪について
1.「従軍慰安婦」問題は、軍の関与のもと、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。
2.日本政府は慰安婦の出身地を問わず、数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。
3.日本政府としてその気持ちの表明の仕方は、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。
4.日本政府はこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。
5.日本政府は歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。
6.この問題は、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。
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 謝罪については言葉を換えると微妙なニュアンスも変わってしまいますので、ほぼそのままの引用になってしまいますが、まとめとしてはこれぐらいでしょう。
 では、これをもっと分かりやすくまとめてみます。
 
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■軍の行為
1.慰安所の設営
2.慰安所の設置・管理の関与
3.慰安婦移送の関与
4.慰安婦募集の業者への要請
 
■業者の行為
1.慰安婦の募集
2.本人の意思に反して悪質な募集もあった
3.慰安所の運営
4.慰安所の生活は強制的な状況の下での痛ましいものだった
 
■軍務を離れた官憲の行為
1.慰安婦の募集
2.本人の意思に反して悪質な募集もあった
 
■日本政府の謝罪
1.慰安婦という存在に何らかの形で軍が関与したことについて、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけたので、慰安婦の出身地に関わらず謝罪。
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 こんなもんですかね。
 というワケで、今回はまずまとめてみたっていうところで、次回以降にさらなる考察を行いたいと思います。