組織的犯行の可能性が出てきた不正選挙。しかしマスコミはだんまり。

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 高松の開票不正事件 職員「事務局長の指示」
 
 去年7月の参議院選挙比例代表の高松市での開票作業を巡る不正事件で、選挙後に隠蔽工作を行ったとして在宅で起訴された高松市選挙管理委員会の職員の1人が「当時の事務局長の指示でやった」と話していることが、代理人の弁護士への取材で分かりました。
 高松地方検察庁などによりますと、この職員は、ほかの高松市選挙管理員会の職員らとともに、参議院選挙翌月の去年8月、票がこん包された箱を選挙管理委員会の部屋で開け、集計されていなかった自民党の衛藤晟一参議院議員の票を無効票の中に混ぜたうえ、ことし1月、無効票が入った箱を開けて、何も記入されていない白票322枚に判別できない文字などを書き入れたとして、封印破棄の罪で在宅のまま起訴されました。
 代理人の弁護士によりますと、3人の職員のうち1人が、上司だった当時の選挙管理委員会の事務局長の山地 利文被告(59)から「開票当日に票が合わず、白票を水増したことなどを知らされ、発覚しないようにする隠蔽工作を指示された」と話しているということです。
 また、この職員は「隠蔽工作に加担していることは分かっていたが、それぞれの行為の意味はよく分からなかった。本当に申し訳ないことをした」と話しているということです。
 隠蔽工作に関わったとして在宅起訴されたほかの2人も、高松市に対して隠蔽工作をしたことを認めているということです。

 
 以前取り上げました、文字通り民主主義の根底を破壊する行為である選挙の票の操作という大事件のお話しです。
 さらに性質が悪いコトに、これが組織的犯行だった可能性が出てきました。
 記事にありますように、「当時の事務局長の指示でやった」というコトで、これが本当なら、現場責任者である選挙管理委員会の事務局長が職員に職務命令として不正を指示したというコトになります。
 これはもう完全に、組織が組織として不正を行った組織犯罪そのものだと言うしかありません。
 
 ここで選挙管理委員会という組織についておさらいしておきましょう。
 選挙管理委員会、略して「選管」なんて言うワケですが、これは総務省管轄の中央選管が1つと、それぞれの地方自治体に1つずつ存在しています。
 今回事件を犯した選管は「高松市選挙管理委員会」ですから、高松市が所轄する地方の選挙管理委員会というコトになります。
 
 では「事務局長」とは何かというところを見てみましょう。
 各選管は、委員会というぐらいですから、それぞれ数名の「選挙管理委員」という人達が存在します。
 選管の委員と委員長は、市の職員とかではなく、有識者などから議会の承認を受けて選ばれるコトにないます。
 任期は4年と区切られています。
 よってこれはイメージとしては、中央省庁の大臣とかをイメージしてもらうと分かりやすいかと思います。
 つまりですね、選挙管理委員会も、任期に関わらず役人としてずっと事務作業を担当する「事務方」と、任期付きの司令塔となる委員会(大臣)との、二重構造になっているのです。
 その上で「事務局長」とは何かと言えば、そうですね、これは「事務方のトップ」なワケです。
 中央省庁で言えば「事務次官」ですね。
 
 今回の事件は、つまり事務方のトップが部下に不正の指示をした犯罪です。
 これは一大事件ですよ。
 やもすれば末端の職員が自分勝手に票を捜査したかのようにこの事件を捉えている人もいるかもしれませんが、これはそんな生やさしい事件ではないのです。
 事務方のトップという、部下にとってはこれからもずっと上司であり続ける人からの「業務命令」であり、その不正の根は大変に深いと言わざるを得ません。
 その証拠に不正を実際行った部下も、「隠蔽工作に加担していることは分かっていたが」と言っていますように、犯罪を犯している意識はあったけどそれに結い諾々と従っていたコトがうかがえます。
 完全に「組織的犯行」です。
 この職員、その後に「それぞれの行為の意味はよく分からなかった」と言ってますが、選挙事務のプロである選管の事務方が分からなかったワケがないので、さすがにここは言い逃れかと想像されますけど、とにかく少なくともこの高松市選管は不正選挙を監視する組織なのではなく、不正だと分かっていても不正を組織として実行する存在だと言うしか無いのです。
 これはとんでもない大犯罪ですよ。
 
 この問題、政治家本人から口を出すのは憚れる問題です。
 被害者の衛藤議員はともかくとしましても、他の国会議員が「選管改革だ」とは言いづらいです。
 なぜなら、選挙を受ける身の政治家が選挙を司る選管に手を入れるというコトは、それだけで選挙の公平性の疑義を産んでしまいかねないからです。
 ですから本来そこは国民がキチンと正しい目で見て、その改革は不正を改善させるためだと理解すればいいのですが、その最も先陣を切るべきがマスコミなんですよね。
 「権力の監視者」であるマスコミこそが本来はキチンと動くべき案件なんですよ。
 それなのに、なんでしょうかこの体たらくは。
 悪いモノと悪いモノを比べても詮無いコトは重々承知の上で言いますが、地方議員が裏金を作るコトなんかよりも、選挙の票を捜査する方が国家にとっては大重罪だと思いますよ。
 もちろんどっちも罰せられるコトですが、マスコミとしての取扱いはどうすべきなのかという部分については、現状は大変に疑問に思わざるを得ません。
 本当にもう日本のマスコミは、脱ジャーナリスト宣言をした方がいいのではないのでしょうか。
 
 この「民主主義を破壊する大犯罪」を目前して、しかしくだらないワイドショー的な内容のモノですら「ニュース」と称して公共の電波に垂れ流す。
 この事件って高松市選管を一度解体するほどのモノで、それぐらいの報道はなされるべきであるハズで、全国の選管を一度洗い直すぐらいのコトをさせるべき案件だと思うのですが、実態は、この事件すら知らない人も少なくないのが現状です。
 やっぱりマスコミは政治や選挙の公平性なんてどうでもいいのでしょうね。
 自分たちの都合の良い結果だけが欲しいのでしょう。
 もう何度も何度も言ってきたコトですが、日本の政治を悪くしている一番の原因はマスコミとしか言いようがありません。