議席数に応じた割合が“基本”

 ごめんなさい、ちょっと色々忙しくて空けてしまいました。
 でも多分今後ものんびりとやっていくコトになると思いますので、のんびりとお付き合い頂ければと思います。
 
 今回は、前回のコトについて、ちょっと捕捉しておこうと思います。 
 というのも、色々とコメント頂いているところなんですが、そもそも前提が間違っているワケなんですよね。
 
 ではなにが基本かと言えば、国会の場においては議席数が基本なんですね。
 議決は最後は多数決で決定されるというのはもちろんのコト、委員会の理事や委員数も議席割合によって決められるワケですし、国会の中の政党(正確には会派ですが)に割り振りされる部屋の数も議席数に応じて当てはめられるコトになっています。
 過去を振り返ればこんな記事が見つかります。
 

 国会控室も争奪戦 民主「正面側明け渡せ」、自民は抵抗
 
 衆参両院の控室は、各会派の議員数で割り当てられる。総選挙結果を単純計算すると、衆院では自民党が4割に激減。民主党は2.6倍に拡大する。民主党は2階裏側から正面に移ったうえで、3階の自民党控室のほとんどを得ることを描いている。

 
 記事の本題は数ではなく場所の問題なので今回は関係ないにしても、引用した最後の部分で触れている通り、国会の中でのコトについては議席数が全ての基本になっているワケなのです。
 なぜなら、それが国民の選択であり判断であり意志だからです。
 議席数は偶然そうなったのではなく、国民の意思によってその数になったのです。
 それなのに、質問時間だけは与党が少なくていいというのは理屈として理に適わないんですね。
 
 前回やえはこのように言っています。
 

 本来は議席数に応じた質問時間があるべきところを、色々な事情で野党に貸していただけであって、それを与党が戻そうと言ったら野党はそれに反対する理由はないハズです。

 
 基本は「議席数に応じた質問時間」なのです。
 これが大前提で、その上でここ数年野党の方が時間が多かったのは、単に「与党が野党に“貸していた”」だけと言えるワケです。
 なので、「野党の方が質問時間を多く与えるべきだ」という意見は、「貸してあげるべきだ」という運用の問題としては意見として成り立ちますが、制度論として「そもそも野党の方が多いのが当然だ」という意味合いで言うのであれば、これは完全に間違いなんですね。
 
 もっと言うと、「与党の方が多い」というのが当然の状態であって、その上で「野党に時間を貸してあげて増やしてあげている」状態というのは、与党に余裕がある状態、もしくは余裕がなくて譲歩せざるを得ない状態なんですねという感想になります。
 端的に言えば、与党の方が多いのは評価としては通常ですからプラスマイナス0で、野党に余裕で貸してあげているのであればプラス評価、野党に譲歩せざるを得ない状態だったらマイナス評価だと言えるでしょう。
 他にも事情があるのかもしれませんが、それはその時々の評価であり、例えばよく言われる民主党政権時の野党自民党の時にこの審議時間配分が決まったんだというのも、それはその時々の事情や背景があってそうなったのであり、それをどう評価するのは人それぞれだと思います。
 
 でも繰り返しますが、議席数に応じた時間が基本です。
 よって今の自民党が審議時間をせめて5分5分にして欲しいと主張しても、それは普通の主張だと思います。
 だって「貸していただけ」なのですから。
 それなのに、それを批判するというのは、まさに「軒を貸して母屋を取られる」以外何者でもないでしょう。
 
 今の野党が「審議時間をもっと欲しい」と主張するのは構わないと思います。
 でも、その方が原則として正しいという言い方や、それを求める安倍内閣は驕っているという言い方は、それは違うと言うしかないんですね。
 だって「普通のコト」ですから。
 安倍内閣に余裕がなくなったのかなと言うのは人それぞれの感じ方ですが、さも数の力で制度をねじ曲げで無理矢理押し通そうとしているかのように言うのは間違っています。
 
 この問題、まずは「議席数に応じた形が普通」というコトを前提にして議論すべきなんですね。