罪を犯した人間には罰を

 野田内閣が改造されました。
 民主党が与党になってから問責の誤魔化しの手段として常套化してきましたが、今回の改造の主な理由は、問責を受けた田中防相と前田国交大臣を交代させるコトです。
 普通に2大臣だけを辞めさせると、それは「更迭」となってしまいイメージが悪くなるので、内閣全体を改造するコトでそのイメージを誤魔化そうという意図なワケですね。
 そしてついでに、中国のスパイとして活動した鹿野道彦農林水産大臣と筒井信隆農水副大臣も、問責や批判を受ける前に変えてしまおうと、臭い物には蓋をしてやりすごそうと、今回の改造はそういう意図があるワケです。
 
 しかしこの問題はこんな対応で許してはいけません。
 
 まだ田中大臣はいいです。
 なぜなら、田中大臣はなぜ変えなければならないかという理由が無能だからです。
 田中氏は大臣としてまともに仕事が出来る能力が無いので、とにかく防衛大臣としての仕事をキチンと執行するために別の人に変えるべきだというのが田中氏の場合の理由であり、別に個人を罰するために変えろと言っていたワケではないですから、これは改造でも何でも理由はなんでもいいですけど変わればそれでいいので、それでいいのです。
 正直もっと早い方がよかった、田中氏が防衛大臣の間に有事にならなかったのはたまたまであって結果論でしかないのですから、この点については野田総理は強く批判されるべきですが、とにかく田中氏を変えるコト自体は歓迎すべきコトです。
 田中氏が国会議員としてふさわしいかどうかは有権者の判断に委ねるべき問題ですから、とりあえず田中氏の場合は、田中氏本人になにかをしたいというワケでは無く、大臣の座から降りてくれればそれが理由の全てになるのですから、それでいいのです。
 
 でも、前田国交大臣と鹿野道彦農林水産大臣・筒井信隆農水副大臣は、「改造」ではいけません。
 なぜなら彼らは罪を犯している人間だからです。
 前田国交大臣は大臣の権威を借りて選挙の結果を操作しようとした公職選挙法違反、鹿野道彦農林水産大臣・筒井信隆農水副大臣は中国のスパイです。
 彼らは法的責任も当然として取るべきですが、同時に政治的責任も取らなければなりません。
 彼らはどちらも大臣(副大臣)として、その地位と権力と権威を利用して悪事を働いたのですから、その大臣という地位に対する責任もとらなければならないのです。
 私人であれば刑法のみに罰せられるのでしょうし、大臣にいても大臣の職責とは全く関係ない私的な罪、例えばただの窃盗とかであれば別ですか、しかし今回の彼らの罪は大臣としての罪、大臣でなければ出来なかった罪、大臣の職責を悪用しての罪なのですから、それに対する罰は当然として必要なのです。
 
 それなのに今回のこの「改造」では、その責任が全くとられていません。
 
 最初に言いましたように、内閣「改造」は、明らかに「更迭」というイメージを無くした、罰ではないけど交代させるという、そういう意味を孕んでいます。
 つまりこのまま前田国交大臣や鹿野道彦農林水産大臣・筒井信隆農水副大臣を変えるのであれば、彼らが置かした罪は不問にする、黙認するという意味になりかねません。
 いったいぜんたいこんなコトを許していいのでしょうか。
 
 このままでは日本の大臣というのはその職責を利用してなにをしても許される、私利私欲のためにムチャクチャやりまくっても黙認されるっていうコトになってしまいます。
 そして少なくとも野田総理と民主党はそう言っているのです。
 大臣の権力権限を使って選挙を操作しても良し、そして日本を外国に売っても良いと、そう宣言しているのです。
 本当にムチャクチャです。
 
 ですから、もしこれを今後マスコミとかも黙認するというのでしたら、同罪です。
 大臣という日本で最も思い職責を、犯罪のための道具にして良いと宣言しているようなモノです。
 やえはこれを決して許しません。
 いったい誰が一番日本の政治を悪くしているのか、この例だけでもかなり考えるべき点が多いのではないでしょうか。