歴史的なロシアとの2+2、さらにフランスとも

2013年11月18日

 日本の外交が急加速で突き進んでいます。
 先日、ロシアと初めて外務・防衛閣僚会議、いわゆる「2+2」を開催したと思ったら、今度はフランスともはじめて2+2を行うと報道されています。
 

 日仏1月に2プラス2 「武器」輸出に通報制協議
 
 日本、フランス両政府は来年1月前半にも初の外務・防衛閣僚協議(2プラス2)をパリで開き、中国を念頭に、フランスが軍事転用品を輸出する際、日本側に事前通報する制度の新設をめぐって論議する方針を固めた。年内発足を目指す「国家安全保障会議(日本版NSC)」をにらみ、テロや治安情報の共有強化でも合意する。2プラス2は米国、オーストラリア、ロシアに続いて4カ国目。
 日本政府筋が13日、明らかにした。閣僚協議には岸田文雄外相、小野寺五典防衛相、フランスのファビウス外相、ルドリアン国防相が出席する。

 
 日本の外交と言えば昔から「米国一辺倒」だとか、やもすれば「米国土下座外交だ」とか言われてきたところですが、これからは、もはやそれらの言葉は全く現実を見ていない発言になると言えるのではないでしょうか。
 もちろん、日本の外交は未だにアメリカ頼りな面は否定できません、というか絶対にあります。
 なぜなら、防衛力はアメリカに頼るしか他ない、それは様々な制度や法令によってすらそう言えてしまう現実があるからです。
 実際日本国内に世界では唯一アメリカ軍だけが駐留しているワケですし、条約もアメリカとしか日本は軍事同盟を結んでいません。
 こういう現実を前にして、アメリカ以外の国とアメリカ以上に外交関係を結べと言ってしまうのは、あまりにも無責任であり現実無視だと言わざるを得ないでしょう。
 様々な面から現実的に日本の防衛はアメリカが担っているワケで、そこから脱しない限りは、日本の外交はまずアメリカという基本方針を変えるコトは出来ません。
 しかし、しかしですよ、こういう状況において、なんとロシアと2+2を実現したのです。
 これはもうまさに「歴史的な第一歩」だと言えるでしょう。
 
 まして今回新たに始めるフランスや、もともと行っていたオーストラリアはまだいわゆる西側諸国ですが、ロシアは今でこそ民主主義国家ですが、まだまだ独裁的な雰囲気の残る独特な国家であり、もっと言えば日本とは歴史的にもいろいろあった国です。
 対戦中も常にロシアとはどうすべきか議論が絶えず、また結局不信感がぬぐえず最後まで同盟しなかったという歴史を持っている国です。
 おそらく日本人の中には少なくない人数、ロシアなんて信用できないと思っている人がいるでしょう、やえも正直、ロシアは土壇場になったら裏切ると思っているぐらいの、そんな国家です。
 そういう中で、外交と防衛の大臣が直接話し合うという2+2を開催したっていうのは、良い部分も悪い部分も含めて「歴史的」と呼ぶに相応しい出来事なんだと思うのです。
 
 もちろん2+2を行ったからと言って、それが例えばロシアと軍事同盟を結んだの等しいコトだとかいうお話ではありません。
 将来的にそれもあり得るのかもしれませんが、それはまだまだ先のお話でしょう。
 でもやっぱり、顔をつきあわせて、当事者同士が直接お話をするっていうコトその自体が、大変に意味のあるコトなワケです。
 言うまでもなくロシアとの間には、領土問題をはじめとした様々な問題が山積しています。
 しかし、問題があるからこそ話し合うんですよね。
 問題があるからと関係を絶っては、その問題は一切動きません。
 問題は解決するモノであり、特に違う国同士、歴史も文化も言葉さえ違う他国同士がお互いに抱える問題だからこそ、継続的に話し合いをするんじゃないですか。
 ロシアとはいろいろありましたけど、いろいろあったからこそ、こういう場を作るというコトは非常に大切なんだと思います。
 
 またこれは、ひとつ「手形を作る」という意味もあるでしょう。
 ロシアと軍事同盟を結んだってどうせ最後は裏切る、という意見もあって、やえもそう思ってしまっているところですが、しかしだからといって軍事同盟を結ぶ必要はないという結論にはならないと思います。
 やっぱり同盟がアリとナシとなら、アリの方が良いでしょう。
 なぜなら、約束は約束であって、約束は破った方が悪いと見られるからです。
 まだ大戦期の世界では強者こそ正義でしたが、いまの世の中そんな理屈はもはや通用しません。
 ましてあの時の新興国の日本とは違い、いまはもう日本は立派な世界大国です。
 もはや大国同士が戦争をするような場面がなかなか想定できないワケですし、そもそも今のロシアと比べれば日本の方が大国なワケで、その中で世界に向けた公的な手形である条約を結ぶ意味というのは、決して小さくない意味を持ちます。
 その中で必要なのは、決して油断しないコトです。
 ロシアと同盟を結んだから北方に向けた防衛はもういらない、という意見にだけは決して同調してはならないと思います。
 ここさえ注意すれば、ロシアとの軍事同盟はプラスの面の方が多いでしょう。
 そういう中で、はじめて日露2+2が開かれたというのは、本当に日本にとって意義深いモノだと思うワケです。
 
 そしてフランスとも2+2をするそうです。
 これは日本外交と防衛の独り立ちへの歴史的第一歩でしょう。
 アメリカ一辺倒だった日本が、それ以外の道を模索し始めたのです。
 これだけでもやえは、この方針を大きく評価すべきだと思います。
 ずっとアメリカ一辺倒でいいと思う人であればまだしも、日本もそろそろ独り立ちして独自外交を展開すべきだと思うのであれば、これはもっともっと国民の側からも応援すべきでしょう。
 
 
 バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳は、他の国との2+2も応援しています。