審議時間が足りないと言いつつ、「60日ルール」のために時間稼ぎする戦術

2015年9月9日

 参議院で安保法制の委員会が開かれません。
 参議院のインターネット中継のページを見ると、昨日も今日も、平和安全委員会が開催されていないんですね。
 審議時間にしてみても、衆議院ではあれだけ朝から夕方までずっとやっていたのに、参議院に移ってからかなり減ったような印象があります。
 実際、先週の委員会の審議時間を見てみると、8月25日(火)は7時間59分、25日(水)は6時間55分ですが、28日(金)はたったの12分だったり、その前の週の21日(金)は3時間14分だったりと、ちょくちょく短い日があったりします。
 そして今週なんかは昨日も今日も委員会自体が開かれてないワケで、先週金曜の12分からして、実質3日間審議がされていないというコトになっています。
 
 野党はあれだけ衆議院で「審議時間が足りない」と大騒ぎしていたくせに、果たしてこれは何なのでしょうか。
 もちろん毎日やれとは言いません。
 そんなの総理をはじめ、各大臣が委員会しか仕事ができなくなりますので、それはそれで困ります。
 ですから、毎日はすべきではありませんが、でも「審議時間が足りない」と主張するのであれば、さすがにこの空き方というのは違和感しか覚えません。
 
 いまのウチに言っておきます。
 なんだかんだで結局野党は、わざと審議時間を短くさせておき、採決できないという状況を作り出して、「60日ルール」を与党に使わせて、それを批判材料にしようとしているのでしょう。
 そして野党は「自民党が強引な手法で法案を通した。こんなのは認められない」と、そういう口実を使いたいだけなんだと思うんですよ。
 そのために、いまのウチに審議時間を積み重ねないように委員会を止めて、「60日ルールを使わざるを得ない状態」を野党が作り出そうとしているワケです。
 
 こんな記事もありました。
 

 <民主>首相の不規則発言に抗議 自民は陳謝
 
 民主筆頭理事の北沢俊美元防衛相は理事会で、「首相は座ったまま足を投げ出したり(不規則)発言したりしている。これ以上委員会にふさわしくない態度なら、頭を冷やしてもらうため委員会を休ませていただきたい」と述べ、審議に応じない可能性に言及した。

 
 態度が悪いから審議拒否。
 はぁ、それなら民主党政権時代は常に審議なんて出来なかったんじゃないでしょうか。
 未だにやえは仙谷官房長官のデタラメはよーく覚えていますよ。
 記事にも残していますしね。
 そんな民主党がよくもまぁこんなコトが言えますよねと。
 
 ですから理屈じゃないんですよね。
 とにかく審議が止められる理屈でも屁理屈でもなんでもあればそれでいいワケです、民主党としては。
 最終的に「審議時間が足りない」「60日ルールはけしからん」と言えればいいのです。
 いまはそのための言い訳作りなのでしょう。
 
 だからいまこうやって記録を残しておきます。
 野党は国会終盤になると必ず「審議時間が足りない」と言い出すでしょうけど(実際衆議院では言ってましたよね)、でも時間はこのようにあるのです。
 ただ単に審議をしなかっただけなのです。
 
 安保法制を、国家国民のための議論とするのではなく、ただの党利党略のための道具にしかしてないのです。