政治を嫉妬で語るな
政治問題に対して怒り、批判をする時というのはどういう時なのかと言いますと、それは国家国民のため、国益にためにならないと感じたときです。
逆に言えば、その怒りや批判は、国家国民のため、国益のために湧き出るモノと言えます。
これをもうちょっと別の言い方で言えば「義憤」と言えます。
政治とは公共のモノ、社会全体としての幸福追求行為である以上、それに対する怒りや批判も当然として公共の幸福追求に資するモノであって、すなわち義憤こそが、いえ義憤だけが政治に対する怒りでなければならないのです。
さてこちらの記事をご覧下さい。
今回はある程度の一般の反応を見るために、敢えてまとめブログの方にリンクします。
政治資金で飲み食い 麻生副総理資金管理団体 クラブ・料亭・すし店…3年で6000万円
安倍内閣で副総理兼財務・金融相に就任した麻生太郎元首相の資金管理団体「素淮(そわい)会」が、政治資金を使って2009年~11年の3年間で約6000万円もの飲み食いをしていたことが分かりました。支出先は、東京・銀座や六本木、赤坂などの高級クラブや料亭、会員制サロンなどで、国民の常識とはかけ離れた“政治活動”の実態が浮かびあがりました。(藤沢忠明)
1日394万円も
素淮会の3年分の政治資金収支報告書を調べてみると―。組織活動費の「交際費・組織対策費」(09年は「交際費」)のなかに、「会合」という名目で、料亭やクラブ、中華料理店、すし店などへの支出がズラリと並びます。
日本共産党の機関誌赤旗の記事です。
ではこの記事と、そしてレスとしてついているいくつかの批判的な意見というモノは、これは果たして「義憤」なのでしょうか。
やえには全くそうは思えません。
こんなのは「嫉妬」でしかないですよね。
もっと言うなら、ただの「私怨」です。
なぜなら、麻生さんが3年で6000万円使おうが使うまいが、なんら国民生活には一切影響がないからです。
むしろこんな記事が出るまではやえもこの事実を知らなかったワケですが、知らないままでもなんら「公共の幸福追求行為」には影響はありませんでしたよね。
逆に言えば、知ってしまったからこそ「うらやましい」という嫉妬の感情を抱いただけであって、しかしそんなのは私怨と呼ぶしか表現のしようがないワケです。
勘違いしてはならないのが、これは税金ではないというコトです。
よく「政治資金」と言うと全てが税金と勘違いしている人がいるのですが、これはむしろマスコミが敢えてそのようなニュアンスで使うからという面もあるのですけど、実際はそうではありません。
ここもよくよく考えて貰いたいところなんですが、キチンと考えれば政治資金の全てが税金なんていうコトはあり得ないと、政治知識が無くも分かるコトです。
例えばこれが全て税金だったとしたら、すなわち全ての国会議員が3年で6000万円の飲食代を使えるだけの税金を得ているというコトになりますよね。
麻生さんは元総理だから他の議員よりも多くの税金を得られるなんてコトは法令上あり得ないですから、もし麻生さんがそれだけ税金から得ているのであれば、他の全ての国会議員も同じく税金から得ている子コトになります。
つまりですよ、この記事では3年で6000万円もの金額を麻生さんが飲食代だけに使ったけしからんっていう記事なワケで、では仮にその全てが税金だったとしたら、別の国会議員は飲食代以外の部分で3年で6000万円以上のお金を使っているというコトになるワケです。
ちょっとこんなのあり得ないですよね。
これでは麻生さんはただのグルメだというお話にしかなりません。
そもそも記者がちょっと調べれば、いえ一般人でさえ調べようと思えば他の国会議員の“巨額の税金の使い道”が明らかになるワケです。
でもそのような記事は見当たりませんね。
そして実際、そのような事実はありません。
つまりこれは、結局麻生さんは他の国会議員よりも多くの収入を得ているというコトに他ならず、それは「政治資金」とは全てが税金ではないというコトの証明でもあるのです。
麻生さんの集金能力の高さは、これはよく報道に出るところですから有名ですよね。
もともと実家が大金持ちの家で、麻生さん自身もその実家の会社の経営者だったコトもあり、もともと資産家です。
その上、献金や政治資金パーティーなどでの集金力もピカイチなのは有名なお話であって、つまり「政治資金」と呼ばれるところは、この部分が大きく締めているのです。
麻生さんが自分の力で集めたお金を自分の政治活動のために使う。
それにどのような「公共の幸福追求行為の侵害」があると言うのか、どこに「義憤」があると言うのでしょうか。
ちなみに税金部分も含めて「政治資金」とは、政治的中立を求められるモノではありません。
そんなコト言いだしたら選挙も出来なくなりますからね。
あくまで政治家が政治家として使うお金として認められる部分を政治資金と定義しているだけであって、もっと極端な言い方をすれば、「自分が政治家として出世するために使うお金」が政治資金なのです。
逆に言えば、政治家ではなく個人的な部分での出費、例えば仕事とは全く関係の無い趣味の部分とか、家族に対する出費ですとか、養育費ですとか、そういう部分に対する出費は政治資金としては認められていません。
ちょっと前に民主党の議員が「キャミソール代」を政治資金として支出していたコトが発覚して問題になりましたよね。
さすがにこれを「政治活動」と呼ぶには難しいワケで、この辺は一般企業の経費と同じなのです。
会社の経費として認められるのはあくまで企業活動として認められる部分のみであって、例えば社員同士の懇親会であれば経費として認められる場合もあるでしょうけど、自分の家族との食事代までは一般的には認められません。
でも会合費は違います。
接待交際費は一般企業でも普通に認められている「経費」であって、特に人と人との繋がりこそが資産であり力となる政治家にとっては、まさに会合こそが政治活動そのものであるのですから、これは完全に「経費」なのです。
「政治資金」とはあくまで一般企業で言う「経費」というような考え方のカテゴリーなのです。
繰り返します。
その上でそれでも麻生さんの「3年で6000万円」に対する怒りを「義憤」と呼べると言えますか?
当たり前ですが、麻生さんひとりが飲み食いした金額ではありません。
麻生さんクラスになればお付き合いの数も幅も一般人では考えられないような幅広いモノがあるでしょう。
例えばどこかの国の大使さんとお食事をする時、その辺のチェーン店での居酒屋で済むと思いますか?
そんなのは逆にそれこそ日本国家の信頼を傷つけるコトにしかならないでしょう。
では「3年で6000万円」に対する怒りは「義憤」ですか?
それはただの「嫉妬」ではないですか?
「私怨」ではないのですか?
よくよく考えて貰いたい問題です。
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